「シージXを始めたいけれど、PCはどのくらいのものを買えばいいのか分からない」。この記事は、その疑問に対して、外部ベンチマークの数値と筆者自身の実測データを使って、できるだけ具体的にお答えするものです。結論を先に言えば、シージXは非常に軽いゲームなので、多くの人が思っているよりずっと安い予算で十分に戦えます。むしろ大事なのは「どこにお金をかけ、どこを削るか」の配分です。
細かい話は後回しにして、まず答えからお見せします。フルHD・競技設定(低画質寄り)で各fpsを安定して出すための、当サイトの推奨構成です(価格は2026年6月時点の概算)。
| 目標fps | 推奨GPU | 合わせるCPU | 自作の概算 | 推定fps(競技設定) |
|---|---|---|---|---|
| 144fps | RTX 5060 | Ryzen 5 7500F | 約20万円 | 約361fps |
| 240fps | RTX 5060 Ti | Ryzen 5 7500F | 約26万円 | 約368fps |
| 360fps(競技設定) | RTX 5070 | Ryzen 7 7800X3D | 約32万円 | 約437fps |
ポイントは、144fpsまでなら一番安いエントリー構成で十分に届くことです。推定fpsを見ても分かるとおり、エントリー構成でも競技設定なら360fpsを超えます。シージXのために高価なグラフィックボードを買う必要は、ほとんどの人にはありません。
「最新のRTXじゃないと動かないのでは」という不安に、実測でお答えします。筆者のサブ機は i7-8700K + RTX 2070 という、5年以上前のミドルクラス構成です。これでシージXの公式ベンチマークを計測した結果がこちらです。
注目してほしいのは、これが「WQHD(フルHDより約1.8倍重い解像度)」での数値だということです。多くの競技プレイヤーが使うフルHDに落とせば、同じRTX 2070でもさらにfpsは伸びます。5年落ちのGPUでこれだけ出るのですから、現行のエントリーGPU(RTX 5060クラス)であれば、フルHDで144fpsはまったく問題になりません。外部ベンチでも、RTX 5060 Tiが最高画質のフルHDで約139fps、中設定ではさらに上振れすることが確認されています。
シージXが軽い理由は、ゲームの設計思想にあります。競技性を最優先したタイトルであり、低スペックPCでも高いフレームレートが出るよう徹底的に最適化されています。プロシーンを支えるために「誰のPCでも240fps、360fpsが狙える」ことが前提に作られているのです。これは、美しい映像を売りにする重量級のシングルプレイゲーム(例:サイバーパンク2077)とは正反対の方向性です。
つまり、シージXにおいては「PCの性能を上げること」よりも「出したfpsを活かせる環境(モニター)を整えること」のほうが、体感への効果が大きい場面が多いのです。
限られた予算をどう配分するか。シージXに関しては、目標fpsによって答えが変わります。
144fpsはエントリーGPUで余裕で届くため、GPUに予算を盛る意味が薄いです。浮いたお金は、144Hz以上のゲーミングモニターや、撃ち合いの安定に効くCPUに回したほうが、勝率に直結します。
fpsが高くなるほど、ボトルネックはGPUからCPUへ移っていきます。240fpsを超えるあたりからは、CPUの性能(とくにゲーム向けに強いX3D系)が効いてきます。360fpsを本気で狙うなら、GPUのグレードを上げるよりも、Ryzen 7 7800X3DのようなX3D系CPUへの投資のほうが効果的です。
「自作とBTO、どちらが得か」は2026年現在、以前ほど明確ではなくなっています。メモリやSSDの値上がりで自作の価格優位は縮小しており、目標fpsによって答えが変わります。
| 構成 | CPU / GPU | 価格 |
|---|---|---|
| 自作 | Ryzen 5 7500F / RTX 5060 | 約20万円 |
| BTO: マウス G TUNE | Ryzen 7 5700X / RTX 5060 | ¥204,800 |
| BTO: パソコン工房 | Core i5-14400F / RTX 5060 | ¥224,800 |
差額は数千円〜2万円程度です。組み立ての手間と保証を考えれば、この価格帯ではBTOを選んでも損はしません。
| 構成 | CPU / GPU | 価格 |
|---|---|---|
| 自作 | Ryzen 5 7500F / RTX 5060 Ti | 約26万円 |
| BTO: ドスパラ GALLERIA | Ryzen 7 7700 / RTX 5060 Ti | ¥281,980 |
差額は約2万円。BTOのほうがCPUがRyzen 7 7700と少し上位なので、差額に見合う面もあります。
| 構成 | CPU / GPU | 価格 |
|---|---|---|
| 自作 | Ryzen 7 7800X3D / RTX 5070 | 約32万円 |
| BTO: パソコン工房 | Core i5-14400F / RTX 5070 | ¥264,800 |
| BTO: マウス G TUNE | Ryzen 7 7800X3D / RTX 5070 | ¥449,700 |
ここが最も差が出ます。360fpsを狙うにはX3D系CPUが事実上必須ですが、7800X3D搭載のBTOは約45万円と割高です。自作なら約32万円で同等の構成が組めます。安いBTO(パソコン工房¥264,800)はGPUこそRTX 5070ですが、CPUがCore i5-14400Fのため高fps帯でCPUが足を引っ張り、360fps安定は厳しくなります。
各BTOの最新価格や在庫は変動します。購入前に必ずリンク先で現在価格をご確認ください。
fpsを稼ぎつつ、敵を見やすくするための設定の方向性です。シージXは設定項目が多いですが、fpsに大きく効くのは以下です。
「画質を上げて満足する」より「fpsを安定させて勝つ」を優先するのが、競技タイトルでの基本姿勢です。
意外と見落とされがちですが、どれだけfpsが出ても、モニターのリフレッシュレートを超えた分は画面に表示されません。144fps出しても60Hzモニターでは60fpsぶんしか見えないのです。目標fpsとモニターはセットで考えてください。
| モニター | 必要なPC構成の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 144Hz | エントリー(RTX 5060) | これから始める人・コスパ重視 |
| 240Hz | ミドル(RTX 5060 Ti) | ランク上位を目指す人 |
| 360Hz | ミドルハイ+X3D(競技設定) | 本格的に勝ちにいく人 |
「360Hzモニターを買ったので360fpsを出したい」というご要望はよく分かります。ただ正直に申し上げると、中設定のままで360fpsを安定させるのは、現世代のGPUでも簡単ではありません。
外部ベンチの集約データでは、競技設定(低画質寄り)で以下のような推定fpsになります。
| 構成 | 推定fps(競技設定・FHD) |
|---|---|
| RTX 5060 + Ryzen 5 7500F | 約361fps |
| RTX 5060 Ti + Ryzen 5 7500F | 約368fps |
| RTX 5070 + Ryzen 7 7800X3D | 約437fps |
| RTX 5070 Ti + Ryzen 7 9800X3D | 約510fps |
エントリー構成(RTX 5060)でも競技設定なら平均360fps前後は出ますが、これは「平均値」であり、撃ち合いが集中する場面では落ち込みます。360fpsを「安定して割らない」ためには、RTX 5070+7800X3D以上で平均437fpsの余裕を持つのが現実的なラインです。出ないものは出ないとお伝えするのが、当サイトの方針です。
筆者が別途検証したところ、ゲーム中に裏でアプリ(今回はElectron製のアプリ)を開いたままにすると、シージXで平均約3%・カクつき(1% low)で約6%ほどfpsが落ちました。シージXのようにGPU使用率が99%まで張り付くゲームでは、裏のアプリがわずかに使うGPUリソースが、そのままfpsから差し引かれます。ランクマッチなど本気の対戦の前には、ブラウザやチャットアプリを一度閉じることをおすすめします。
あなたの予算と目標fpsから、具体的にどの構成が必要かは、FrameSpecのツールで逆算できます。
→ FrameSpec で逆算してみる