Escape from Tarkov(タルコフ)のためにPCを選ぶとき、ほとんどの方はまずグラフィックボードから見ます。ですが、タルコフに限ってはその常識が通用しません。タルコフは「GPUよりCPU」、しかも「X3D系CPUか、それ以外か」で性能が劇的に変わる、他のFPSとは別次元のゲームです。この記事では、その理由と現実的な構成、そしてどうがんばっても出ないfpsの話まで、正直にお伝えします。
| 目標fps | 推奨GPU | 合わせるCPU | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 60fps(Streets含め達成圏) | RTX 5060(エントリー) | Ryzen 5 7500F | 非X3Dでも60fpsのラインは届く |
| 144fps | RTX 5070 Ti(ハイエンド) | Ryzen 7 9800X3D | 7800X3Dは平均129fpsで144未達・9800X3D級が下限 |
| 240fps以上 | 不可(エンジンの構造的限界) | ||
注目してほしいのは、60fpsという目標自体はエントリー構成(非X3D)でも達成圏という点です。ただし後述するとおり、144fps以上を安定して狙う場合や、Streets等の激重マップで混戦時にも崩したくない場合は、話が変わってきます。そこで9800X3D級CPUの出番になります。
タルコフは、AIスカブやアイテム、複雑な物理処理など、CPUに重い負荷をかける要素が常時動いています。そして、その負荷を効率よく処理する鍵が「CPUの大容量L3キャッシュ」、つまりAMDの3D V-Cache(X3D系)です。
外部ベンチマークの集約では、X3D系CPUは、同世代の非X3D CPUと比べてタルコフで25〜30%も高いfpsを出すことが報告されています。同じグラフィックボードでも、CPUがX3Dかどうかで体感が「別ゲーム」になるレベルの差です。これは他のFPSではここまで顕著には起きない、タルコフ特有の現象です。ただし同じX3D系でも世代差がそのまま結果に出るのがタルコフの厳しいところです。最重量マップ Streets of Tarkovの実測(chimolog)では、Ryzen 7 7800X3Dは平均129fpsで144fpsに届かず、Ryzen 7 9800X3Dで平均151fpsとなり、ここで初めて144fpsを安定して超えます。144fpsの安定を狙うなら「X3Dなら何でも良い」わけではなく、9800X3D級が下限という点には注意してください。ただし60fps程度の目標であれば非X3D構成でも届くため、X3D系が効いてくるのは144fps以上を狙う場面と、レイド後半・Streetsのような激重マップで安定を求める場面です。
逆に言えば、144fps以上やStreetsでの安定を狙ってタルコフのために高価なグラフィックボードを買っても、CPUが9800X3D級でなければfpsは届きません。144fps以上を目指す場合の予算配分は、まずCPUに9800X3D級を入れ、それから残りでGPUを選ぶ、という順番が正解です。
タルコフのもう一つの大きな特徴は、マップによって負荷がまったく違うことです。Factory(軽量)と Streets of Tarkov(最重量)では、同じPCでもfpsが2倍以上違います。「Factoryで快適だったのに、Streetsでカクついて死んだ」というのは、タルコフ界隈で繰り返されてきた失敗談です。
当サイトの判定はすべて 最重量のStreets基準 です。理由は単純で、最重量で耐えられる構成なら他のマップでは余裕、という安全側の設計だからです。「軽いマップなら動きます」を売りにする提案はしません。マップ間の負荷差はそれほど極端なので、構成を決める前に「自分がどのマップを快適にしたいか」を意識しておくと、後悔のない選び方ができます(詳しくは§8)。
タルコフの240fpsや360fpsを狙ってRTX 5090を買おうとしている方がいたら、いったん止まってください。2026年7月時点の実測集約で、RTX 5090と最強CPU(Ryzen 7 9800X3D)を組み合わせてもStreetsの平均fpsは約151〜160fpsです。これは現時点で「いかなる構成でも240fpsに届かない」ことを意味します。
これはGPUやCPUの性能の問題ではなく、タルコフのエンジン(古いUnity)が抱える構造的な限界です。シングルスレッド処理の比重が高く、CPUの並列性を活かしきれません。アップデートで多少改善する可能性はありますが、240fps安定が現実的な目標になる日は、当面来ません。
では、何を目指せばいいのか。現実的な答えは 「9800X3D級CPU+RTX 5070 Ti前後のGPUで、Streetsでも安定する144fps前後」 です。これが現世代のタルコフ機の最適解と考えてください。具体的にはRTX 5070 Ti + Ryzen 7 9800X3Dあたりが、コストと性能のバランスが良いラインです。7800X3Dでも動きはしますが、Streets実測で平均129fpsと144fpsにわずかに届かない点は理解しておいてください。
「もっと出したい」気持ちは分かりますが、それは現状エンジン側で詰まっているので、お金を積むより設定で稼ぐほうが現実的です。
タルコフは設定で大きくfpsが動くゲームです。Streetsで安定させたいなら、特に影・テクスチャ品質・SSAO・SSRなどを下げると改善が見込めます。
これらを詰めるだけで、Streetsで20〜30fps変わることも珍しくありません。
タルコフは240fpsに到達しないゲームなので、240Hzモニターを買うと性能が完全に余ります。タルコフ専用機を組むなら144Hzで十分です。他のFPS(VALORANTやCS2など)も並行で遊ぶなら、それらに合わせて240Hzを選ぶのは合理的ですが、その場合も「タルコフでは240fpsは出ない」と理解した上で選んでください。
ここからは、fpsの数字には表れない実用的な話です。構成を決める前に知っておくと、無駄な出費や後悔を減らせます。
144fps以上や重量マップでの安定を狙うなら、9800X3D級のCPUは事実上必須です(7800X3DはStreets実測で平均129fpsと144fpsにわずかに届きません)。BTOを選ぶときも、必ず9800X3D搭載モデルを選んでください。
| 構成 | CPU / GPU | 価格 |
|---|---|---|
| 自作(9800X3D搭載・ハイエンド) | Ryzen 7 9800X3D / RTX 5070 Ti | 約42.2万円 |
| BTO: ドスパラ GALLERIA | Ryzen 7 9800X3D / RTX 5070 Ti | ¥499,980 |
同格のCPU・GPU(9800X3D+RTX 5070 Ti)で比較できるBTOはドスパラ GALLERIAが最安級ですが、約50万円と自作ハイエンド(約42.2万円)より10万円以上高くなります。9800X3D搭載BTOはまだ選択肢自体が少なく、重量マップの安定を優先するなら9800X3D級は外せませんが、価格を抑えたいなら自作が明確に有利です。
価格は2026年7月時点の参考値です(BTOは直販価格・変動あり)。リンク先で最新価格をご確認ください。BTOリンクにはアフィリエイトリンクを含む場合があります。